物価の上昇によってモノの値段が上がる昨今。貯蓄をできるだけ減らさないように頑張って節約されている方も多いと思います。しかし、頑張って節約している人ほど見逃しがちなのが健康です。
私見ですが、健康は何よりの節約になると考えています。なぜなら健康はお金にかえられない一生の財産だからです。実際、お金持ちほど健康を財産と考えており、気をつけています。
今回はどうして健康であることが節約になるのか、その理由を紹介していきます。
健康のマネジメント
病気やケガがきっかけになって何かビジネスを始め成功した人や、健康であればお金持ちになれるとはいえません。
しかし、単純な話ですが健康であれば病院に行く頻度も、寝込んで何もできない時間も、治療にかかるお金も少なくて済みます。健康なら集中して仕事ができ、心も前向きでいられるでしょう。だからこそ、考えてアウトプットし、行動を起こすことができるわけです。このようなことは不健康だと難しいでしょう。
老後も介護いらずであれば、働くことができ、自由になるお金が増えるというのは分かりやすい理屈ではないでしょうか。
10代、20代のうちは体力があり、少し不健康な生活をしていても跳ね返せる強さがあります。しかし30代以降になってくれば、無理はきかなくなるでしょう。
そして、そこからの年代はお金を稼げる時期であり、最もお金が必要な時期でもあります。このタイミングで健康を損なうと、様々な制約を受け、大きな機会損失をかぶることになりますが、健康であればビジネスでも趣味でもアクティブに動くことが可能です。
健康をマネジメントすることは、投資や節約と同じか、それ以上の価値があるといえるのではないでしょうか。
健康維持は節約で削ってはいけない
どんなにお金を節約して、お金持ちになれたとしても不健康であれば意味がありません。だからこそ、健康維持費は削らないように注意しましょう。
睡眠不足は貯金が減る?
科学誌「ジャーナル・オフ・ニューロンサイエンス」に掲載された論文によると睡眠不足な人は貯金が減る傾向にあるのだとか。
まず、睡眠不足は頭を鈍らせます。6時間睡眠を14日続けると丸2日徹夜したのと同程度の認知機能になるそうです。つまり、毎日6時間睡眠を続けている人は、毎日徹夜明けでいる状態というわけです。
次に睡眠不足は先延ばしを増やします。ある大学の研究によると先延ばしの原因は、個人の資質ではなく睡眠不足の可能性が高いことが確認されました。
睡眠を削ると、集中力、注意力、判断力、気分、感情など、ほとんどのすべての脳機能が低下することが明らかになっています。
先延ばしにすることが増えたなら、まずは睡眠不足を確保しましょう。
運動習慣は身に着けておきたい
厚生労働省の調査によると運動習慣のある人ほど高収入な傾向にあるようです。経営者の多くがトライアスロンにチャレンジしているのはこのためでしょうか。
だからこそ、忙しくて運動する時間がないと言っている場合ではないでしょう。忙しくて運動不足なら、環境を変えたほうがよいでしょう。
また、運動は気分転換やストレス解消につながり、メンタルヘルスの改善にも効果があるといわれています。メンタルヘルスには脳内の神経物質が大きな影響を及ぼすためです。
運動により血行が良くなると、脳が活性化され、幸せホルモンと呼ばれるセロトニンなどの神経伝達物質が増えることがわかっています。
運動といっても激しいものではなく、ウォーキングやジョギングなどでも十分効果があります。1日20分でも効果があるので今すぐ始めたほうがいいでしょう。
健康診断は毎年受けよう
健康診断にお金をかけてでも毎年チェックを受けましょう。健康診断は生活習慣病をはじめ、さまざまな病気の早期発見・早期治療、病気の予防が目的で行われています。
自分では自覚できない症状や病気を見逃さないためにも、定期的な受診が必要です。
また、受診して終わりではありません。受診後、いかに活用するかが重要です。健康診断の結果を上手に活用し、生活習慣を振り返るきっかけにして健康な毎日を過ごしましょう。
日常的に健康管理をしてもらえる、かかりつけ医を持つこともおすすめします。健康診断の結果で気になることがあればかかりつけ医に相談しましょう。
健康診断の結果を自分だけで受け止めるのではなく、かかりつけ医に相談することで、より的確にアドバイスがもらえ、必要であれば専門医を紹介してもらえます。
口内の健康は維持する
成人の約8割が発症しているといわれる歯周病。虫歯よりも歯周病によって歯を失う割合が高く、原因の1位となっています。
歯周病の初期段階である歯肉炎から始まり、歯周炎、歯周病と重症化していきます。虫歯だと歯が痛くなったり、冷たいものでしみたりと自覚症状があるのに対し、歯周病の怖いところは自覚症状が乏しい病気です。
歯周病の軽度だと歯茎のはれや出血はありますが、痛みがないため自覚することが難しく、口腔ケアがおろそかになりがちです。
歯周病は細菌感染症の一種で、進行すると歯周病菌が血液を介して各臓器に運ばれ、全身に悪影響を及ぼしてしまう怖い病気です。
歯周病の予防は毎日の丁寧な歯磨きと定期健診を心がけましょう。定期検診は3~6カ月に1回の頻度で十分です。
健康的な生活を送るための食習慣
健康的な生活を送るうえで多くの人が思い浮かべるのは栄養、食生活ではないでしょうか。
健康に生活を送るには栄養バランスのとれた食事が大切です。栄養バランスのとれた食事とはごはんやパンなど穀類の主食を基本に、肉や魚、卵、大豆などのタンパク質主体がメインの主菜、野菜やきのこ、海藻などの副菜、そして汁物を組み合わせた和定食が理想的です。
そして、1日の必要摂取量を意識して、カロリーを摂りすぎないように工夫すれば、ほぼ完ぺきといっていいでしょう。
しかし、和定食は塩分過多になりがちです。高血圧学会の定める食塩摂取量の推奨値は1日6g未満であるのに対して、みそ汁1杯の塩分量は1.5~2gといわれ、朝晩みそ汁だけで1日当たりの推奨値の半分以上を摂取することになります。
高血圧の治療において食塩制限が重要であるため、日ごろから減塩を意識するようにしましょう。
具体的な減塩方法
知らず知らずのうちに、塩分量の多い食品を食べているかもしれません。食べなれたものにも線分が多く含まれていたということもありえます。これらを見直すだけで減塩につながります。
ハムやベーコンといった加工食品、ちくわやかまぼこなどの練り物には塩分が多く含まれているので注意しましょう。1週間にこれらの食品をどれだけ食べたのか量や回数をチェックしてみてください。
白米や玄米は塩分0ですが、パン類には塩分が含まれており、100gあたりの食円相当量は食パンだと1.3g、フランスパンには1.6gです。ゆでたうどんやラーメンにも0.2~0.5gの塩分が含まれています。主食の選び方にも注意が必要というわけです。
減塩の基本は薄味に慣れることです。
塩分を多く含む調味料を多用せず出汁をしっかりとる、レモンやお酢などを効果的に活用する、コショウなどの香辛料を利用するなどの工夫で減塩できます。
脂質は敵?
体脂肪を増やさない、もしくは減らすために脂肪摂取は避け、低脂肪食品を摂るのがいいという考えが広まりました。しかし、脂質は体の中で重要な役割を果たす大切な栄養素です。
食事から摂取された脂質は体の中でエネルギー源として使われます。また、細胞膜やホルモンの材料としても使われ、脂溶性ビタミンの吸収を助ける役割もしています。
摂りすぎると体脂肪として体に蓄えらえてしまうので、摂取量を把握することが大切です。
肉には飽和脂肪酸が多く、部位によっては脂質摂取量が過剰になってしまう傾向があります。肉よりも魚を取り入れることで、脂質量を抑えつつ、必須脂肪酸を摂取できます。肉を選ぶ場合は脂質が少ない部位を選ぶようにしましょう。
調理法を工夫することも大切です。豚ロース肉なら脂身を取り除き、鶏肉なら皮を取り除くことで脂質摂取量を抑えられます。
下ゆでする、蒸す、焼いて余計な脂を取り除くことで、脂質を落とすことができるでしょう。
脂質が気になるなら食事ではなく、お菓子を控えたいところです。お菓子を食べたい場合、パッケージの栄養表示を確認して量を調整するか、脂質の少ないお菓子に置き換えましょう。
外食やインスタント食品を利用する場合
健康的な食生活を送るうえで、外食やインスタント食品は問題点として挙げられます。これらは総じて高脂質、高塩分の傾向があり、栄養が偏りやすい点が指摘されます。
また、孤食や早食いになりやすい面もあり、適度に楽しむ分には問題ありませんが、頻繁に利用するのは注意が必要です。
外食やインスタント食品を利用する場合、成分表示を参考にすることをおすすめします。
食品機能を活用する
健康維持のため健康食品やサプリメントを利用する人は増えています。しかし、これらの製品は種類も多様で自分に適したものを選ぶのは至難の業です。
すぐれた製品もありますし、使用を進めるお医者さんもいるでしょう。健康食品を選ぶ場合、確かな製品であるか、エビデンスや安全性などを確かめる必要があります。
薬を服用している場合、かかりつけ医にアドバイスを求めることも必要です。
当たり前のことですが、自分の心と体が健康な状態で、はじめて生産的な活動ができるのではないでしょうか。
今までそれが当たり前すぎてお金を稼ぐことや時間の使い方ばかりに気がとられてしまいがちですが、健康に動けるからだがあって、健全に考えられる精神があるからできることです。
今回は健康な心身を保つためにできることを紹介しました。節約も大切ですが、健康はもっと大切です。この記事が参考になれば幸いです。