瞑想をする人

マインドフルネスでシンプルな思考に

脳内も断捨離するマインドフルネスとは

部屋から不要なモノを減らしてスッキリしたはずなのに、なぜか心が休まらない。
それは、頭の中が仕事のプレッシャーや将来への不安、過去の失敗への後悔といった思考のノイズで散らかっているからかもしれません。

物理的なミニマリズムを実践した次に取り組むべきは、脳内の整理整頓術、すなわち「マインドフルネス」です。

マインドフルネスとは、良い悪いの評価や判断を一切挟まず、「今、この瞬間」の体験だけに意識を向けている状態を指します。
GoogleやAppleといった世界的企業が研修プログラムに採用していることからも分かる通り、これは宗教的な儀式ではなく、脳科学に基づいた脳の休息法でありトレーニングです。

私たちは普段、無意識のうちに「次はあれをしなきゃ」「あの時こうすればよかった」と、心だけが現在にいない状態に陥っています。

この状態は脳のエネルギーを浪費し、疲労を蓄積させます。
瞑想を通じて意識を強制的に今に戻すことで、脳のキャッシュをクリアにし、集中力や感情の安定を取り戻すことができるのです。

ミニマリストと瞑想の相性が良い理由

ミニマリストとマインドフルネスは、目指す方向性が非常に似ています。
ミニマリズムが「持ち物を減らして、本当に大切なものにフォーカスする」生き方であるのと同様に、マインドフルネスは「思考の無駄を削ぎ落とし、目の前の事象にクリアに向き合う」技術だからです。

特に30代の男性は、仕事での責任が増し、決断を迫られる場面が多くなります。
マインドフルネスを習慣化すると、感情的な衝動や周囲の雑音に惑わされず、冷静な判断を下す能力が向上します。
迷いがなくなるという点において、究極のシンプル思考を手に入れるための最強のツールと言えるでしょう。

1日5分から始める呼吸瞑想の実践

独身男性でも続けやすい、基本の呼吸瞑想を紹介します。
特別な道具もお香も不要、あぐらをかく必要もありません。

やり方は拍子抜けするほどシンプルです。
椅子に座って背筋を伸ばし、軽く目を閉じます。

そして、自分の「呼吸」のみに意識を向けます。
鼻を通る空気の冷たさ、お腹の膨らみや縮みを感じながら、吸っている・吐いていると実況するように観察します。

やってみると分かりますが、すぐに「明日の会議どうしよう」「お腹が空いた」といった雑念が浮かびます。

しかし、それは失敗ではありません。
重要なのは、雑念が浮かんだことに気づくことです。

「あ、考え事をしていたな」と客観的に気づき、また静かに意識を呼吸へ戻す。
この意識を戻すプロセスこそが、脳の前頭葉を鍛える筋トレになります。

まずは1日5分、スマホを置いて脳を空っぽにする時間を持つことから始めてみましょう。

忙しい人向けの歩行瞑想という選択肢

どうしても座って瞑想する時間が取れない、あるいはじっとしているのが苦手という方には、歩行瞑想(ウォーキング・メディテーション)がおすすめです。

これは通勤中や移動中に、「歩く」という動作そのものに全神経を集中させる方法です。

足の裏が地面に着く感覚、体重が移動する感覚、足の筋肉の動きなどを詳細に感じ取ります。
スマホを見ながら、音楽を聴きながらではなく、ただ歩くことだけに没頭するのです。

駅までの10分間、あるいはオフィスの廊下を歩く数十秒間でも構いません。
日常の動作をマインドフルに行うことで、忙しい日々の中でも脳をリセットし、クリアな思考を維持することができますよ。